簿記初歩の初歩
簿記初歩の初歩 |
初めてのみなさんは、簿記(複式簿記)というと難しいように感じると思います。 私もそうでしたが、全くの初心者から、1回の受験で日商簿記3級にうかりました。その際の 簿記の初歩の初歩の理解の仕方を私流に書きたいと思います。 はじめに、比較として家計簿を考えましょう。家計簿では、りんごを買ったら 「りんご 100円」とか「食費 100円」とか書きます。 家計簿に記入する事項は、おおむね何かの購入のみですから、 それはそれで良いと思います。しかし、個人なり、会社なりで事業を 営む場合には、買ったもの(仕入れたもの)をお客様や他の事業者様に 売ったりもします。すなわち取引が複雑になってきます。 そこで簿記(複式簿記)が必要になってきます。 どうするかというと、あなたは八百屋さんを営んでいて同じくりんごを 買うことにします。大田市場で1万円分を買うとしましょう。 先ほどは「りんご 100円」で100円分のお金を使ったということのみを記入しました。 しかし、八百屋としてみれば、単にお金が1万円減ったということでは不充分です。 なぜなら、商品のりんごを、お客様に売って利益を得るわけで、りんごの情報も大切であり、 りんごの情報も記入する必要が出てくるのです。 そこで、家計簿的な単に「りんごに1万円使った。」という情報ではなく、 「りんごが1万円分増えた。一方で現金は1万円減った。」と、現金以外の価値にも 重きをおいた考え方をするのです。どう書くかというと、 「りんご 1万円 |現金 1万円」と2つに分けて書くのです。これを「複式簿記」といいます。 どういう意味かというと、お金は減ったときには右側、増えたときには左側に書きます。 りんごはお金の逆で、増えたときに左側、減ったときに右側に書くのです。 (なお本当は「りんご」のところは「仕入れ」と書きます。) 家計簿的には、お金は使ってしまったらもう終わり、と考えるのでしょう。 一方で簿記(複式簿記)的には、お金は使ったが、その分りんごは増えた。このりんごを つかって儲けよう、という考えなのだと思います。 たとえば「電話代などは家計でも、企業でも使ったらもう終わりだよ。」という疑問が 浮かぶ人もいると思います。確かにそうですが、簿記では 「通信費 5000円|現金 5000円」と、りんごの仕入れと同じように 書くのです。りんご(「資産」の一種です)と通信費(「費用」の一種です)は、お金の対価として 得られたものであり、物として残るか残らないかだけが違うのだから、 同類として考えようという事だと思います。 「資産」と「費用」の増加を両方とも、同じ側(左側)に書く理由がわかっていただけたと思います。 |
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